JFS-B審査レベルアップ!中小食品企業が準備すべき5つの項目
「JFS-Bの審査が来月に迫っているが、何をどこまで準備すればいいのか不安が拭えない」
「書類は一通り揃えたつもりだが、監査員からどんな突っ込みが来るか分からずヒヤヒヤしている」
特に専任の品質管理担当者が少ない中小食品企業において、審査前のプレッシャーは計り知れません。しかし、JFS-B審査は決して「重箱の隅をつつく」ような意地悪なものではありません。監査員が見ているのは、「御社の仕組みが、現場の事実と整合しているか(矛盾がないか)」という非常にシンプルなポイントです。
本記事では、食品安全コンサルタントとして数多くの審査同席をしてきた経験から、監査員が現場に来た際に必ず確認し、かつ企業側が指摘を受けやすい「5つの重要項目」を解説します。
1. フローダイアグラム(製造工程図)の整合性
監査員が工場に入って一番最初に行うのが、「提出されたフローダイアグラム(工程図)を持って、現場のラインを歩くこと」です。書類上は完璧に見えても、現場と設備配置や動線が違っていれば、開始5分で重大な指摘に繋がります。
よくある指摘:「新しい包装機を入れたのに図面に反映されていない」「書類上は真っ直ぐの動線なのに、実際は作業員が行ったり来たりして交差汚染のリスクが生じている」
→ 審査直前に、必ず最新の図面を持って現場を自分の足で歩き、バルブの位置や経路まで一致しているかを確認してください。
2. ハザード分析の妥当性(なぜその手段なのか?)
単に危害要因(食中毒菌や異物)をリストアップするだけでは不十分です。「なぜCCP(重要管理点)にしたのか」「なぜPRP(前提条件プログラム)で管理できると判断したのか」という判断の根拠が問われます。
よくある指摘:「加熱殺菌の温度・時間を『中心温度75℃ 1分』と設定しているが、その科学的根拠となるデータや文献はあるか?」「金属検出機のテストピースの大きさを2.0mmにした理由は?」
→ 外部の文献(厚労省のガイドラインなど)や、過去のクレームデータ、テスト稼働のデータなど、「なんとなく」ではなく「他人に説明できる根拠」を分析表の隅に記載しておくことが最大の防御になります。
3. 製造現場の「設備・備品」の管理状態
マニュアル上での管理だけでなく、「実際に使う道具」が管理されているかを確認されます。計測機器が狂っていては、どんなに誠実に記録をつけても意味がないからです。
よくある指摘:「CCP監視用の芯温計や、冷蔵庫の温度計の『校正(正確さの確認)』はいつ、誰がやっているか?」「清掃用のブラシの毛が抜け落ちて異物混入のリスクになっていないか?」
→ 「年に1回、基準温度計と氷水比較で校正する」などのルール化と、劣化備品の「交換基準(毛先が開いたら捨てる等)」を定めておきましょう。
4. 記録の「継続性」と「異常時のアクション」
「記録用紙はありますか?」ではなく、「適切に続き、活かされていますか?」が焦点です。
よくある指摘:「1ヶ月分の記録を見たが、土日の記録が丸々抜けている」「温度が基準値(75℃)を下回っている日があるが、その時『製品をどうしたか(再加熱したのか、捨てたのか)』のリカバリー記録がない」
→ 特に異常時の記録(是正処置)がないのは致命的です。基準を外れたら「嘘をつかず正直にバツをつけ、どうリカバリーしたかを書く」という文化が育っているかを監査員は評価します。
5. 現場の基本的な「清掃・衛生状態」
最後は非常にアナログですが、実は最も重要なポイントです。どんなに高尚なHACCPプランを作っても、現場の床がヌルヌルしていたり、従業員の手洗いがおざなりであれば、システム全体が「機能していない(絵に描いた餅)」と見なされます。
よくある指摘:「機械の裏側や、手の届きにくい配管の上に埃や残渣が溜まっている」「手洗いタイマーが鳴る前に作業に入っている」
→ これは特別な技術ではなく、日々の習慣(5Sの徹底)です。審査のためだけに掃除をするのではなく、清掃手順書(SSOP)に基づく日常のルーティンとして確立されているかが問われます。
監査員からの指摘は、決して企業を落とすためのものではありません。気づかなかった死角をプロの目線で教えてもらう「無料のコンサルティング(健康診断)」だと捉えてください。指摘に対して「言い訳」をするのではなく、「どうすれば改善できるか」を前向きに議論する姿勢(継続的改善への意欲)こそが、審査において最も高く評価されます。
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